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音響設備の考え方

教会にとって良い音響設備を考える

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教会にとって良い音響設備とは、次の4つの条件を満たす設備だと考えます。

  1. 説教の声が明瞭に聞こえて、言葉の意味が分かりやすいこと。

  2. だれでもスイッチを入れてマイクを使えること。

  3. 日曜日に不具合があったら、次の日曜日までに直せること。

  4. 10年から20年くらいは使用できること。

説教が聞こえにくくなったら

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まず次のことをやってみましょう。

 

1. マイクに口を近づけて話してもらいましょう。

みんなで正しいマイクの使い方を覚えましょう。

2. スピーカーの近くに座りましょう。

天井近くに設置してあるスピーカーは会衆席近くに移しましょう。

3. みんなでテストの日を作りましょう。

牧師も役員も音響担当者も一緒に工夫しましょう。

4. 古い機材はさっさと捨てましょう。

むかし高価だった機器や会員が持ち込んできたオーディオ機器は、礼拝堂には役に立ちません。もし音が出ても礼拝中にノイズが出たら説教が台無しなので、使っていない機器は処分しましょう。

5. 大きな会堂にはスピーカーを4台か6台つけましょう。

説教が聞こえにくいのはスピーカーの音が天井や壁に反射して聞こえるからです。スピーカーの数を増やして、1台のスピーカーから出る音をなるべく小さくするのが聞こえやすい装置の原則です。

6. 母子室も音量調節できるようにしましょう。

子どもがうるさいときはボリュームを上げられるようにしましょう。

7. 雑音が出るときは原因を突き止めましょう。

アンプをさわると出るのか、ケーブルをさわると出るのか、ケーブルを抜き差しすると出るのか、平日の静かな環境で確認しましょう。

雑音の原因が分からないときは、雑音を録音してアンプのメーカーに送って判断してもらいましょう。雑音はことばや文字では伝えにくいです。

8. 15年20年使って不具合が起きたら音響設備を更新しましょう。修理してもまた他の所に不具合が発生します。礼拝に必要なマイクは2〜3本なのでミキサー機能のついたPAアンプにしましょう。ミキサーとアンプの組合せでは礼拝直前の障害対応に手間取ります。

9. プレイズの賛美の機材は礼拝用と分けられるようにしましょう。礼拝説教用はスイッチ1箇所で準備完了できるようにしましょう。

10. 説教用と音楽用は分けて考えましょう。まず説教用を整備して、その設備で音楽をやってみて、不足があれば機材を追加しましょう。

11. 音響担当者も説教に集中できるようにしましょう。不具合をそのままにした設備では担当者は説教に集中できません。

ワイヤレスマイクについて

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テレビで見るワイヤレスマイクはおなかのあたりにあります。

教会で使うワイヤレスマイクは口の近くです。

これはマイクとスピーカーが同じ部屋に有るか無いかの違いです。

テレビスタジオではスピーカーから音は出していません。出演者はイヤホンで聞いています。この状態なら感度の高いワイヤレスマイクを使えるので、マイクはおなかのあたりに置けるのです。

教会ではスピーカーから音を出しながらマイクを使うので、ハウリングしにくい感度の低いマイクしか使えません。

聖餐式などで使うタイピン型のワイヤレスマイクは使い方が難しいです。どんなに口の近くに付けても、会衆を見ながらしゃべるとマイクと口は離れてしまいます。お祈りの時だけ口とマイクが近づいて、急に音量が上がったりします。

タイピン型よりもヘッドセット型のほうがきれいに声を拾えます。

 

ハンド型のワイヤレスマイクは感度の低いボーカルマイクです。カラオケ用と同じです。ワイヤレスマイクはどこでも使えるので、感度を低くしないとハウリングの危険があるからです。

ワイヤレスマイクはカラオケのように口に近づけて使うのが上手な使い方です。

 

礼拝堂にいると生声とスピーカーの声と両方聞こえるので、多少いい加減に使ってもよかったのですが、ユーチューブなどで配信する場合は、マイクで声をしっかり拾うようにしましょう。

音響設備の障害の見つけ方

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音響設備から音が出なくなったときです。

牧師先生から、マイクが故障しました、と連絡があります。

会衆席の方からは、スピーカーが故障しました、と連絡があります。

音響担当者からは、アンプが故障しました、と連絡があります。

 

自分にいちばん近いところが故障したと考える傾向があります。

音の入り口のマイクからアンプ、スピーカーまで、どこか1箇所でもこわれたら音が出なくなります。

それぞれの機器を接続しているケーブルも、どこか1箇所でもこわれたら音が出なくなります。

教会の音響設備についての一般的認識

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他では見たこともない機器がならんでおり勝手にさわってはいけない。

聞こえにくいと思ってもどうすることもできない。

担当者に不具合を伝えてもすぐには直せないのでがまんする。

担当者も奉仕者なのであまり無理は言えない。

照明やエアコンなら出入りの電気屋にたのめばすぐ直るのに、音響についてはどこに頼めばいいか分からない。

それぞれの機器の選び方

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マイク

ダイナミック型とコンデンサー型がありますが、説教用にはダイナミック型のほうがのノイズが少ないです。

ダイナミック型にはボーカル用とスピーチ用がありますが、説教用にはスピーチ用が良いです。

歌手が使っているのはボーカル用で、手で持って口に近づけて使います。

説教ではマイクはスタンドに立てて使いますので、ボーカル用よりスピーチ用がいいです。

楽器店で売っているダイナミックマイクはほとんどボーカル用です。

ボーカル用は感度がマイナス56デシベルで、スピーチ用は感度がマイナス52デシベルです。

 

アンプ

マイクとスピーカーの間に必要なものは、ミキサーとアンプですが、教会用にはミキサーとアンプが一体になったPAアンプが使いやすいです。

ミキサーとアンプをそれぞれ分けるのは不具合が出たときの対応に時間がかかります。

 

スピーカー

一般的なスピーカーは一箇所から音が出ます。

コラムスピーカーは同じスピーカーが4つから8つついていて複数箇所から音が出ます。

一般的なスピーカーは遠くの人に聞こえるように音量を上げると近くの人にはうるさくなります。

コラムスピーカーは遠くまで音を届けるために作られたもので、近くでも遠くでも同じように聞こえます。

一般的なスピーカーはスピーカーの前でマイクを使うと必ずハウリングします。

コラムスピーカーはスピーカーの前でマイクを使ってもハウリングしにくいです。

マイクとアンプは2芯シールドケーブルでバランス型で接続します。

アンプとスピーカーは芯線が0.75から1.25の平行線を使います。特別なスピーカーケーブルは必要ありません。

補聴用設備について

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耳が遠くなり説教が聞こえにくくなった方の対策はとても大切です。

大事なことは高齢者が使うので簡単な操作のものが望ましいです。スマホを使った補聴器もありますが、礼拝中は不具合が起きても対応できないので、スマホのようにちょっと指が触れただけで動作が変わるものは避けたほうが無難です。

 

個人用補聴器

スピーカーから出た音を補聴器で拾うことになります。一般的にスピーカーから出た音を拡声すると明瞭に聞こえません。(テレビから聞こえる大相撲の物言いがついたあとの説明の音声やフィギュアスケートの音楽などのように)

補聴器を使う方がいる場合は会堂の一番良く聞こえる場所を探してください。

 

FM送信機

説教の声をFMラジオで聞こえるようにします。ラジオは何でもいいので、一度設置すれば誰でも使いやすく、イヤホンやヘッドホンでいくらでも音を大きくできます。FM送信機の値段が高く設置に手間がかかるのがネックですが、使用者の人数は無制限ですので、難聴者が多い場合はお勧めです。

 

同じFM電波を使う装置でも、健常者用のガイドシステムなどは専用の受信機でイヤホンも片耳になっているものは難聴者用にはお勧めしません。

 

無線でテレビの音を手元でイヤホンで聞く装置。

アンプから音をもらって送信機からブルートゥースで受信機に音を送ります。もともと難聴者向けのものは音量を大きくできますので、難聴者が少ない場合はお勧めです。

新しく業者を探すとき

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次の項目を理解しているか、確認してください。

 

ダイナミックマイク ・ コンデンサーマイク

モノラル ・ ステレオ

  バランス ・ アンバランス

ハイインピーダンス ・ ローインピーダンス

PA ・ SR

コラムスピーカー ・ 一般的スピーカー

(左側が教会にはお勧めです)

 

ハウリングの発生原因を知っていることはとても大事です。

講壇の後ろの壁にスピーカーをつけるのは、スピーカーの前でマイクを使うことになるので、絶対に避けてください。

スピーカーの取付場所は、マイクより前で、会衆席の一番前の左右あたりになります。

​ナデコシステムズ株式会社

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